仮免技能試験、みたび。
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またまたやってきた府中試験場 |
42日目 仮免技能試験3回目
3度目のコースは……
やってきた3度目の仮免技能試験。コース開放の利用を除いても学科試験から数えて4回目の訪問なので、極度の方向オンチかつ乗り物オンチの店長ももうヨユーです。武蔵境や東小金井を武蔵小金井駅とカン違いすることももうないし(それぞれ1つ前、2つ前の駅。駅名が似ているので油断すると間違えそうになる)、武蔵小金井駅南口のバス6番乗り場は、駅を出て番号順に辿って歩くより左手の交番前の横断歩道を渡った方が早く行けることも覚えました(初見じゃわからない)。さらに言うと、降りるバス停は「試験場正門」というこれ以上なくわかりやすい名前なのですが、それよりずっと手前にある自動車学校の風景を見てココが試験場だとカン違いして「前原町」で降りようとしたりもしていません(実際にそんなウッカリ者が1度ならずいた)。
無事に試験場に到着し、毎度同じく入ったらまずは試験の前にお支払い。電子決済でピピッと今回も4,350円ナリ。うひー、お高い。支払いを終えたら、まだ試験まで時間はあるけれど先に技能試験室へ。試験開始前にコースを確認するためです。
前回同様に、試験前の試験室内にはもうすでにコースの札が掛かっていました。なんと今回もCコースです。初回の受験時は試験車が2台だったためにコースも2本ありましたが、今回も前回同様に普通仮免の試験車は1台だけの模様で、コース確定。前回にもましてコースの勉強はしてきた店長ですが、途中までとはいえ実際に2回走っているCコースで3回目も受けられることは店長にとって非常にラッキーです。限界だわカリメンこれで3度目。合格するまで許さない。受かってほしいカリメン3度「C」。(by ユキコ・イワイ)
「仏」、登場
13時、受験生が集まっている試験室に、また職員の人たちが入ってきました。
--……あれっ……おおっ……!?……これはもしかすると……
店長が見る限り、この日の職員さんの中には、前回前々回と店長を試験してくれた鬼試験官さん(見た目がちょっとコワい)がいないじゃありませんか。別に鬼試験官さんのせいで落ちたとは思っていないけれど、別の人だったらどうなんだろうと店長にヨコシマな期待が生まれます。
そして今回の試験官さん。受験票の回収や、試験の説明など、やっていることはいままでの試験官さんとまったく同じですが……
--この人、優しい……!!
風貌はこざっぱりとしていて、それはパッと見には他の職員さんとさして変わりがないのですが、目つきや口元に柔和な印象があります。そして説明する時の口調も、受験者と応対する時のふるまいも、鬼試験官さん含めてこれまで見てきたどの職員さんよりも優しげな印象です。試験場の職員の方はみなさん現役の警察官か関係者なので、キビキビとしていたり優しくてもどこか堅い感じの人が多く、その中でこの柔らかい雰囲気はもはや異質とすら思えてしまうほどだったのでした。まして前回までの試験官さんが特に厳しい印象の人だったのでなおさらです。「地獄に仏」。店長の脳裏にそんな言葉がよぎりました。3度目の同じCコースで仏にまみえる、この機会、逃すわけにはいきません。
Cコースおさらい
これまでに2回走っていることもあって、店長の頭にはすでにCコースの順路がほとんど入っていました。しかしながら、前回も前々回も、完走はできずに後半の途中で発着点に帰されてしまっています。今回はなんとしても完走したい。そしてできれば合格したい。そのためにも、コース後半の、まだ走らせてもらえたことのないところまで行って慌てないように、試験前に入念にコース図をチェックします。
そのCコース。発着点からスタートして最初のならし運転を終えて、スタートラインのような最初の一時停止線から右折して外周路に入り、しばらくは道なりで外周路のコーナーを左カーブ、さらに進んで左折してから、「坂道」、「踏切」、「S字」の要素が続いて、信号なし交差点を右折して直進し「クランク」、出たら外周路を通って「点滅信号の交差点」に進み交差点を左折、直進して「矢印信号の交差点」を直進し、右折レーンへ進路変更して一時停止から右折で外周路に入り、「障害物」ひとつめ、コーナー右カーブして直線で「速度指定50キロ」、またコーナー右カーブして「障害物」ふたつめ、さらにコーナー右カーブ(店長は前回前々回ココまでで落とされた)、右折レーンへ進路変更して右折、直進して信号なし交差点を右折、「点滅信号の交差点」を直進して、また右折レーンへ進路変更して一時停止して右折で外周路に入って、コーナー右カーブしてゴール。適切に走ると10〜15分程度です。
今回の前走者
今回も店長は第一走者にはならず4番目。直前の受験者は今回は女性の方でした。順番が回ってきて、前走者さんが運転席に回り、店長が後部座席に乗り込みます。コースはほとんど頭に入っているとは言え、最後の最後までおさらいできるに越したことはありません。前走者さんの完走を心からお祈りする店長でしたが、プリウスの「READY」マークが点灯していないのに準備完了と合図する光景に激しくデジャブ。前回の前走者くんと同じで、発進前から大変に雲行きが怪しいです(前回の前走者くんについては「その5」参照)。そしてパワーボタンの操作を促す試験官さんの口調は大変に優しい。やはり仏。
そんな仏試験官さんの柔らかさであっても、しょっぱなからトチッてしまったことで緊張が高まってしまったのか、ならし運転のところから伝わる前走者さんの「硬さ」。これも前回の前走者とカブります。
カチカチのハンドルさばき、カチカチの目視確認をしつつ、序盤の要素「坂道」をクリアして……
「えっと……ここ……まっすぐですか……?」
--ココもかよ!
前回の前走者くん同様に坂の上の交差点で道を確認する前走者さん。そして優しく答える仏試験官さん。このCコースの坂の上はひとつのリトマス紙なのでしょうか。
試験官さんが優しいこともあって、前走者さんの健気な様子に、車内には無言ながら「がんばれよ」という励ましの空気が流れます。店長はもはや自分のおさらいとは関係なしに、全走者さんの健闘を祈りました。
--……けどきっと、「S字」で落ちちゃうんだろね……前回の彼と同じように……
店長の予想はあっさりと的中。前回の前走者くんと同じように、S字の最初のカーブで縁石に乗り上げてしまいました。前回の彼のように、縁石に乗り上げてそのまま進んでしまうことはなく、乗り上げた時点で停車してバックしたので、この時点では一発アウトではなく減点で済んでいます。しかしながら、戻ってからも次のカーブでさらに脱輪。減点超過で不合格確定です。なんとかS字を抜けたところで、前走者さんが消え去りそうな声で「すみません……緊張しちゃって……もうダメですね……」とつぶやき、車内に激重な空気が漂う中、仏試験官さんは優しい声で発着点へ向かう道を指示したのでした……また次がんばろうね。
「その2」でも書いたとおり、仮免技能試験でバックを使うことは合格のチャンスを減らすことになります。もちろん、今回の前走者さんのように、縁石に乗り上げてしまっても、すぐに停まってバックすれば一発アウトにならずに済むので、この場合にはバックせざるをえないのですが、縁石乗り上げは一発アウトでなくとも20点と大きな減点になります。そして試験が続行できたとしても、「正しく走行できる位置までクルマを戻して進路を修正しながら再発進する」なんてことがスムーズにできる運転技術を身につけているのであればそもそも縁石に乗り上げたりはしないでしょうから、およそまともには続行できない……ということで、縁石に乗り上げたらほぼアウトなのです。「仮免技能でバックは要らない」に通じる話です。
店長の3回目
さあ、店長の番です。発進準備、発進合図と確認、どれも丁寧にやって、ならし運転でも短いながら慎重にアクセルブレーキの感触を確かめます。そして試験走行開始!
最初の停止線からの外周路右折。スピードが出せていないと前回も注意された序盤です。けどもう3回目、大丈夫。直前の練習でY田氏(仮)に言われたことを思い出しながら、車体を進める軌道をイメージして操作すれば、必要以上に減速せずとも曲がれるし、ハンドルやアクセルのタイミングも正しく掴めます。結果、順調な滑り出し。
外周路をカーブして最初の左折。今回の一番の注意点です。合図出して目視確認して、車体と空間を意識して視野を広く目線を上げたまま、車体をしっかり左に寄せる。寄せたら、曲がった先の道、クルマの進む軌道を意識して曲がる。
--……できてる……かな……?……いや、いまは考えない。とにかく集中して、視野を広くして、丁寧に……
「坂道」、「踏切」と続いて、前走者さんたちが落ちていった「S字」。
--こういう風にクルマを進めるって、もうわかる。だから大丈夫。行ける。
前回までもクリアできていたところにY田氏(仮)の助言も加わって、初回とは比べものにならないほどスムーズに進行。店長の心境も、さほど強い緊張はしていません。
続く「クランク」も同様にクリア。さらに「点滅信号の交差点」、「矢印信号の交差点」を通って外周路へ。前回はこの区間の右左折でも連続して減点されました。先ほどと同じように、意識して丁寧に曲がっていきます。外周路に入る一時停止からの右折もふらつくことなく、曲がった先ですぐ出てくる「障害物」の回避もスムーズです。
外周路のコーナーを右カーブして直線で指定50キロ、これももう問題なし。またコーナーで右カーブして、2つめの「障害物」を通って、さらにコーナーを右カーブ。そして……
--減点超過なら、この先を左に曲がれと言われるけど……!?
「……………………」
--教示がない! やった、直進! 試験続行!
ほどなくして、
「⚫︎番を右です」
ここから先の終盤、店長が初めて走る区間です。高まる緊張をこらえ、運転に集中する店長。右折レーンに進路変更してからの右折、直進してまた右折、「点滅信号の交差点」、黄色点滅を確認してそのまま直進、また右折レーンに進路変更して右折で外周路進入、直前の一時停止、見落とさないでちゃんと停める、右折で外周路入って、またさっきのコーナーを右カーブして……!!
「▲番を左です」
発着地点への誘導です。とうとうゴール。けど直前に横断歩道。最後まで気を抜かない。
「2番に停めてください」
スピードを落としながら合図、確認、カーブしてプラットホームに入り、さらに徐行して合図、確認、車体を左に寄せて、合図解除して目標のポールの直前で確実に停止。ペダルでサイドブレーキかけて、パーキングボタン押して……
「試験終了です。すべて終わらせて、次の人と交代してください」
「すべて終わらせる」まで試験は続いています。パワーボタン押してエンジン切って、後方確認してからクルマを降りて、すべて終了。助手席に座っている試験官さんの窓のそばへ。
結果は……!!
「お疲れ様でした。今回、合格です!」
「ありがとうございまっす!!!!」
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