仮免技能試験、ふたたび。
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また来た府中試験場。 |
36日目 仮免技能試験2回目
試験のコースは……
迎えた仮免技能試験2回目当日。試験は前回同様に午後の試験です。2回のコース練習に付き合ってくれたヌシ様、「アクセルもブレーキもちゃんとできてたし、ハンドルさばきもアレならきっと問題ないよ。落ち着いてがんばってね」と店長に励ましの言葉をかけてくれました。その言葉を胸に、今度こそはと意気込んで店長出発。
予定通り早めに試験場に到着。前回同様、着いたらまずは1階右手の手数料窓口で試験料のお支払い。お金払わないと試験受けさせてもらえませんからね。電子マネー決済でピピッとな。今回のお支払い、4,350円ナリ。--高っ!-- 前回の技能試験の支払いは「試験車両手数料」の1,450円だけでしたからねー。2回目以降は、学科試験受験時に支払った「仮免許受験申請手数料」2,900円が再度徴収されるのでお高くなるのです。試験に落ちれば落ちるほどかさむ費用。
支払いを済ませたあと、まだ集合時間まで30分以上はあるけれど技能試験室に行ってみた店長。一番乗りだったようでまだ誰もいない技能試験室ですが、入って部屋の前方を見てみると……
--……あった!
「普通仮免許AT限定1号車 - Cコース」
前回の集合時にもかけられていた、受験者の座る列を示す札と、その札と一緒に下げられたコースの札です。「この札、試験始まる直前になって差し替えられたりしないのかな」と店長は心配しましたが、結局、試験開始まで札は変更されませんでした。おそらくは前回も事前に吊るされていたのでしょう。しかも前回は試験車が2台分だったため、集合後に受験票を試験官に渡すまで、自分がどちらの試験車か(つまりどちらのコースか)は判りませんでしたが、今回は札が1枚だけ。今回も、前回と同じCコースでの試験だと事前に判りました。C、C、C。ウワサのC、C・コース。アクセルじらして落とされたドライビングロード。この夏の「仮免」。(by ユイ・アサカ)
学科試験合格時に配られた「受験の手引き」には、「コースを覚えておく必要はないよ」という旨の記述があり、実際に店長が1回目を受験した際も、鬼試験官さんは見た目めちゃくちゃ怖いもののコースの教示はタイミングも的確ではっきりとわかりやすかったので、たしかに「コースの暗記は必須ではない」と言えそうです。が、しかし。「法規走行」も「運転技術」も双方において十二分に身に付いているような、つまりは「ヨユーで合格できる」レベルの人であれば、コースを覚えていなくても大したハンデにならないのでしょうが、そうでないならば、やはり覚えておくにこしたことはありません。「次に何の要素がくるのか」「ゴールまであとどのくらいか」がわかっている方が心理的に余裕が生まれます。「そんな『試験に受かるためのテク』みたいなことして免許を取ったりしないほうがよいのでは」という向きもありましょうが、まったく問題ありません。最低限のコトができなきゃコース覚えてようが落とされますから。そういうワケで、今回は店長もしっかりコースを勉強してきたのでした。
コース図はスクール側が情報提供してくれていたものがあって、店長は今回、集合後のスマホ禁止時間でも見られるようにわざわざプリントアウトして持参。前回の試験で同様にしている受験者を見かけたのでそれにならいました。
4コースすべてのコース図に目を通してきてはいたものの全部覚えてまではいなかった店長ですが、1コースだけに絞られた上に、それが前回途中まで実際に走ったコースですから、集合前の時間だけでも十分再確認できました。
集合時刻
13時。技能試験室にはたくさんの受験生がすでに集まっていて、そこに職員の方がまた数名、前から入ってきました。
--あぁ……またあの人もいるなぁ……違う人だといいんだけど……
前回、店長も試験された鬼試験官さん。今回もいらっしゃいました。
前回同様に複数の免許種別の受験者が来ていて、それぞれの種別ごとにまた集められます。普通仮免の試験は、どうやら前回と同じ鬼試験官さんがご担当の模様。--とほほ。
受験票と交換した成績表をみると試験順は今回も6番手と後ろの方です。2回目の受験だからといきなり1番に回されたらイヤだなと思っていた店長の心配も無用でした。やはり受験回数が多い順に並ばされている様子です。
ふとみると、2番手で座っている中国人の青年は、学科試験の時に店長の直前に座っていた人でした。
--同じ日に学科パスしたのに、彼はだいぶ前の席……ってことは、技能試験をもう3回以上も受けてるのかな……キャンセル待ちがうまくいって何度も受けられたのかなぁ。
成績表が配られたあと、受験の注意事項を説明される時間がありますが、前の方に座っている1番手、2番手の人達が、試験官になにやら尋ねられたあと、説明の途中で二人して荷物をまとめて試験官と一緒にプラットホームに降りて行きました。どうやら、「以前にも同じ説明を受けているから、もし聞く必要がなければ先に試験を始めましょう」ということの様子。少しでも早く試験が回せるようにという配慮でしょうか。
直前の走者の彼
注意事項説明が終わり、試験室に残っていた受験者も全員プラットホームに移動します。ほどなくして、戻りの試験車が入ってきました。運転していたのは、先ほど2番手だった中国人の青年です。クルマを降りて、助手席の窓越しに試験官から何かを伝えられる青年。店長からは少し離れていたので、話していた内容までは聞き取れませんでしたが、最後に「3階38番窓口で予約」を促されているのはわかりました。お疲れ様でした。またがんばりましょう……
また待つことしばし。ようやく店長の前走者の番になり、店長も試験車両の後部座席に乗り込みます。鬼試験官さんが店長の書類を確認している間に、発進準備を済ませるように指示された前走者くん。この人も、先の中国人青年同様に店長には見覚えがありました。
--あれ、この人も見たことあるな……あ、そうだ、学科試験で1人だけ不合格になって先に帰ってった人じゃんだから見覚えあるんだ。無事にパスして技能まで進んだんだね。さーがんばって最後まで走ってよ。
直前の走者の試験走行は次走者のコース確認の機会。なので、前走者が完走してくれたほうが次走者にとってもありがたいのです。
が、しかし。今回の前走者くん、どうやら雲行きが怪しい雰囲気です。今回のクルマはプリウスだったのですが、プリウスが初めてだったのか、発進準備からどことなく緊張している雰囲気が店長にも見てとれるし、実際、発進準備完了と言っているものの「READY」マークが点灯していません。鬼試験官さんも当然に気づいていて、「これじゃまだ動きませんよ」とひとこと。慌てる前走者くんにパワーボタンを入れるところから軽く促してあげる試験官さん。前回に続いて鬼の目にも涙です。--やっぱアンタ実は優しい人だね……
ようやく発進して、ならし運転も終わって試験走行を始めた前走者くん。
--うーん……悪いけど……多分、ダメな気がする……
始まってからまだそんなに走ってもいないのに、店長は思いました。前回の前走者のようにいきなり停止線オーバーとかそういうことはしていないし、寄せや曲がりでの目視確認もちゃんとやっているのですが、走り方がどことなく荒いというか、「硬い」のです。加速減速ハンドル、さらには目視確認やウインカー操作においても、全体的に「硬い」。
Cコース序盤、「坂道発進」の要素。坂道発進自体は(硬いながら)問題なくクリアし、先に進んだ前走者くんですが……
「えっと……これ……まっすぐ……で、いいんですか……?」
坂の上の交差点で、コースを尋ねてしまいます。
「まっすぐですよ。曲がる時は指示しますから、何も言わないときはまっすぐです」
淡々と答える鬼試験官さん。
試験では、コースを尋ねる行為自体は減点対象ではなく、さらに言えばコースを間違えたとしても、間違えたことそのものによる減点はありません(ただし間違ったコースを走行している間も採点対象になります)。なので、コースを訪ねたって別に構いやしないのですが、鬼さんが伝えたとおり、「試験官が何も言わない時は直進せよ」ということは事前に説明されていることです。試験順からみて彼も初回の受験ではないだろうし、さらに言えば彼の直前の走者も、よほど変な走り方をしていなければコース序盤のこの箇所は通っているはず。それらを鑑みるに、ココでコースを尋ねるのは「ダメじゃないけど印象はよろしくない」ってコト。
そしてそんな店長が感じた印象は外れていませんでした。「踏切」終わって「S字」に入った時です。
--あー、コレ大丈夫? だいぶ左に近い気がするけど……もう少し大きく回らないと触っちゃうか、それか……
ドットン。
--触るどころか、完全に乗ったね、いま……そしてそのまま降りたね……
縁石に乗り上げるだけでも「脱輪」で減点ですが、乗り上げてそのまま進んでしまうとその時点で試験中止です。試験官さんはこの時点では何も言いません。前走者くん、気づいているのかいないのか、緊張のままさらにS字を進行。そして奥のカーブで再度脱輪。あーらら……
やはり試験終了で、S字を抜けてから本来の順路とは違う道を指示する鬼試験官さん。そしてそれすらも間違える前走者くん。一緒に乗っている店長も気まずい。ただ、もう試験が終わっているからか、試験官さんは間違えたことをとがめる素振りもなく、サラリと「それじゃ次は●番を右で」と誘導していました。--……やっぱアンタ実は優しい人だね……
店長の試験走行2回目
さぁ店長の番がやって参りました。
--ったくあんな手前で脱落しやがって……もっとちゃんと練習してこんかい!
コース序盤までしか確認できなかったことに腹を立てて、心の中で前走者くんに悪態をつく店長。自分がちゃんと走ればいいだけの話でしょう。
プリウスはスクールで一度経験済の店長、発進準備もレバー操作も問題ナシです。前回、ならし走行前にスッポ抜けた発進時確認も、今回は最初からしっかりやって、試験開始。
まずは右折からの外周路。前回はしょっぱなから「速度が遅すぎる」と注意を食らってしまってますから、今回は最初から加速して……
「(時速)14キロです。もう少しスピード出しましょう」
--うわっ、また言われちゃった! むむむ、また遅すぎたか……! けどまだ1回目!
「速度維持(課題外速度)」は「特別減点細目」。1回目は注意のみで減点がありません。しかし2回やってしまうと、1回目の分と合わせて20点減点されてしまいます。もうこの際、必要以上にスピードは緩められない!
外周路を道なりに進んで、「坂道」、「踏切」と進み、難関の「S字」そして「クランク」。どちらもまだまだ余裕があるとは言えない進行ですが、コース開放で練習したこともあって、店長の緊張度合いも初回よりかはだいぶマシになっていました。--ハイエースで通れたんだからプリウスで通れないワケがないだろ!-- 技術というより気合いに近いですが、とにかく突破。前回は気づかずにやってしまった出口でのタイヤ接触もありません。
点滅信号、矢印信号と2つの交差点を越えて、真の難関、「障害物」です。
--大丈夫!ししまる号で何度も練習したから!
速度を維持したまま、合図、目視、ハンドル、かわしてまた合図、目視、ハンドル……無事にクリア。ウインカー解除までバッチリです。
指定50キロも前回よりスムーズ。そりゃ9キロから加速するのに比べりゃ当然でしょう。そして2回目の障害物も通過。ここまで注意ナシです。
--順調〜! さー、ラストまで無事に進めるかー!?
外周路を右カーブ。そして……
「●番を左です」
--!!!?
前回と同じところで発着点へ誘導……途中終了です。店長、2回目も合格ならず。
講評と減点箇所考察
「右左折、特に左折の時に膨らんでしまってます。曲がる前の寄せも少し甘いです。もう少し寄せないといけません。
それと、停止線から外周に入るところの右折も、きちんと曲がれていませんでした。曲がってから、車体がまっすぐにならずに曲がりすぎになっている。おそらくハンドルを戻すのが遅いせいです。
最初、スピードが出せていませんでしたね。あのあとは問題ありませんでしたが、最初から出せるようにしましょう。
では、3階38番窓口で予約して、また来てください」
--こんにちは3階38番窓口の予約機さん……もう会いたくないんだけどね……
次回の試験は、また最短で2週間後でした。
さて、前回同様に不合格でも点数は教えてもらえないので、講評の内容から減点箇所を考察してみましょう。
鬼試験官さんが説明しながら見せてくれた成績表には、3ヶ所の左折に赤ペンが入っていました。そのあとに1ヶ所、ちゃんと曲がれなかったという外周路への右折。
「左折の時に膨らんでしまっていた」というのは、「右左折方法違反(交差点内)・(左大回)」で1回につき5点減点です。3ヶ所とも適用されているので計15点減点。さらに、「寄せが甘い」と言われていた点ですが、こちらも「巻き込み防止措置不適(巻き込み)・(離)」で1回につき5点減点。これが3回とも適用されていたか定かではないですが、されていたとすればこれも計15点で、「左大回」と合わせたら外周に入る前の時点で減点30点。もうギリギリです。
そして外周路に入る時の右折で進路が正しくとれなかった点は文字通り「ふらつき」。「小」と「大」がありそれぞれ基準が設けられていますが、「小」であれば10点、「大」であれば20点の減点。この前まででマイナス30点であればどちらにせよ減点超過で不合格ですが、仮に「巻き込み」が大目に見られて適用されていなかったとしても、「ふらつき(大)」で30点オーバーで不合格でした。
なお、前述の通り「速度維持(課題外速度)」については今回は1回だけだったので減点ナシ。また今回も合図や確認などに関する減点はありませんでした。
ということは、前回同様、「知識(法規走行)より手前の運転技術の問題」。
1回目不合格の時はアクセルブレーキ、基本のキ。
2回目不合格はハンドル操作だから、基本のホってところですかね。
--ヌシ様、「ハンドルさばきも大丈夫」って言ったクセに!!(逆恨み)
さあどうする店長。
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