普通免許取得一発試験70日間奮闘記 まえがき

2023/07/27

一発試験 運転免許

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 店長が運転免許を取得するまでの70日間の記録です。

※2024年1月追記:2024年2月から、東京都は運転免許の学科試験も完全予約制に変わります。


「運転免許」とひとくちに言っても実際にはいろんな種類の「免許」がありますが、「クルマの免許」という時に多くの人が想像するのは「普通自動車第一種運転免許」でしょう。いわゆる「普免」と呼ばれる免許。店長が取得したのも、この普免です。さらに普免は「マニュアル(MT)」と「オートマ限定(AT限定)」に分類されますが、昨今の免許新規取得者の6〜7割はAT限定だそうで、店長も時勢に沿ってAT限定免許を選びました。

内閣府が出している令和5年版交通安全白書によると、令和4年末の時点で、「運転免許適齢人口あたりの免許保有率」はおよそ75%。日本人の大人4人に3人は免許を持っているということなので、割と多くの人が免許持ってると言えそうです。その数、およそ8千万人。ちなみに、免許種別の構成比でみると「普通車(普免)」保有者の率はなんとわずか8%。実は現在保有者が一番多い種別は「中型免許」で、全体の7割にあたります。こうなっているのには訳があるのですが、こんな関係なさそうな話も、のちのち思わぬところで店長の受験にひっかかってくるのでした……

0日目 そもそも一発試験って

教習所に通わなくても免許が取れる!?

「運転免許を取ろう!」となった時に、フツーに思いつくのが自動車教習所。「車校(しゃこう)」とか「自校(じこう)」とかって呼び名もあるそうですが、ともあれ公認の自動車学校に通って、学校を卒業して、免許センターで学科試験パスして、免許を取る……コレが免許取得のスタンダードです。一説に、新規取得者の98%がこのルートで免許を取っている、とな。

では、残りの2%の人はどうやって免許を取るのか。

その残り2%の手段が、通称で「一発試験」と呼ばれるルートなのです。「飛び込み試験」「飛び入り試験」と呼ばれることもあるそうな。

あまりにマイナーすぎる道のりのため、免許保有者でも詳しく知らない人の方が多く、さらには存在自体知らなかったという人も珍しくないとか。免許を持っていない人であればなおさらでしょう。実際、店長も、今回免許を取ろうとするまでこの制度を知りませんでした。

その仕組みをものすごくザックリ言うと、「国(都道府県)がやってる試験をいくつかクリアすれば免許を出してあげるよ」というもの。ザックリすぎですが単純に言うとこういうことです。そして受験そのもののハードルは低く、規定の年齢をクリアしていれば、ほとんど誰でも受けられる、という門戸の開かれた試験です(過去の違反歴ウンヌンという細かいルールはあります)。

その主な試験は、

「仮免許学科試験(仮免学科)」、

「仮免許技能試験(仮免技能)」、

「本免許学科試験(本免学科)」、

本免許技能試験(本免技能)」、

の4つ

仮免、本免それぞれに学科、技能があり、もちろん仮免を取ったあとに本免試験に進んで、本免の学科、技能ともにクリアすれば、必須の講習を受けたのちに晴れて免許取得、という流れ。

制度的な話で言えば、教習所に通って免許取得するスタンダードコースは、「指定教習所の卒業によって仮免試験と本免技能試験が免除されて、本免学科試験の受験及び合格のみで免許が取得できる」というものなので、制度としてはこちらの方が例外というか抜け道的な扱いなのです。実態は真逆ですが。

そんなワケで、「指定教習所を卒業すれば免除されるいくつかの試験を、免除されることなく受験して合格できるのであれば、教習所を卒業してなくたって免許は出すよ」、というのが一発試験の中身。

なお、一発試験の制度自体は全国一律ですが、試験の実施に当たっては都道府県で細かい違いがあるそうです。具体的には、東京だと学科試験と技能試験は必ず別日になりますが、埼玉だと学科試験に合格した当日に技能試験の受験が可能だそうです。店長は東京の府中試験場での受験でした。

「安い・速い・難しい」……?

一発試験、特筆すべき点のひとつは、そのコストの低さです。

東京都の場合、一発試験で純粋に受験と免許取得にかかる費用は、仮免許で5,500円、本免許で5,400円、試験合格後の取得時講習の受講料15,400円、しめて26,300円。証明写真や住民票の費用等を含めても3万円しないで免許が取れるのです。コレはスゴイ。

ただし。

コレはあくまでストレートで合格した場合の受験・受講料。試験に不合格だった場合、再受験ではその都度受験料が発生するので、落ちれば落ちるほど費用はかさんでいきます。ちなみに店長の受験で言うと、仮免実技の再試験で4,350円、本免実技の再試験で3,350円、都度かかりました。

また、運転経験がゼロの新規取得者が、運転練習なしに試験に合格するのはほぼ不可能と言って間違いないです。無免許の人間が運転の練習をするためには、身内に頼るにせよ業者に頼むにせよ、「ヒト・場所・クルマ」を用意する必要がありますから、この点で大なり小なりのコストは発生します。店長もそうしたように、一発試験向けのスクール(教習所)を利用するのが現実的でしょう。

よって、一発試験での免許取得は、「どうやって一発試験の受験・合格に至ったか」によって総コストが変わってくると言えます。一発試験に対応しているスクールはだいたい指定教習所に通うよりも割安になっていることが多いので、順当に進むのであれば総コストも低く抑えられる可能性は十分にあります。が、早く合格できないとどんどんコストがかさんでいくし、万一途中で挫折してしまったら、それまでに投下したコストは「自分には一発試験は向いていなかった」ということを学んだだけの授業料として消えていくことになります。うーんリスキー……

ということで、一概に「安い」とは言い切れないです。結果として安上がりになればラッキー。

次に、一発試験は「手っ取り早い」一面があります。

先に書いたとおり、試験を受ける条件は年齢くらいのもので、東京都に住んでいれば東京都の一発試験が受けられます。主な4つの試験で最初に受ける仮免学科試験は予約の必要もなく、試験を受けようとする日に試験場に出向いて所定の時間内に手続きを済ませれば受験できます。何でどれくらい学んだか等は問われないので、受かるかどうかは別として、丸腰ぶっつけ本番で受験することだって可能です。この点は仮免技能試験も同様で、技能試験は学科試験合格後に予約を取る必要がありますが、予約さえ取れれば、予約した試験日に受験するだけ。事前の練習内容や練習量等は不問です。仮免取得後の本免学科試験も仮免学科と同様。

本免技能試験だけは、受験に際して「1日あたり2時間程度の練習を、最低5日間以上」練習しなければ受験できないという条件がつきますが、その手前の段階までは、受験者自身の能力や環境に応じて、学習・練習の時間を圧縮できます。学科試験も仮免技能試験も、準備に1ヶ月かけようが1週間で済まそうが受かれば同じ、ということですね。コレはスゴイ(2回目)。

ただし(2回目)。

時期的なものもあるようですが、技能試験はどこも混んでいるようです。実際、店長の本免技能試験で1ヶ月以上待ちになったことがありました(結局キャンセル待ちで回避されましたが)。どんなに技量があろうと試験してもらえなければ話になりません。

店長も、最初の段階では「サクッと1ヶ月くらいで取れたらいいなぁ」なんてことを目論んでいたものの、何度も不合格になり、結果としてこの記事の題名にもなっているとおり2ヶ月以上かかりました。しかも、詳しくはまたおいおい書いていきますが、この70日での取得はおそらく速いほうです。

ということで、一概に「速い」とは言い切れないです。どのくらいを「速い」と取るかにもよりますが。2〜3週間の合宿で取れるなら、たぶんそっちの方が速いでしょう。指定教習所でも繁忙期に混み合っていたり予約合戦があったりするのは同じだという話ですが……

そしてもうひとつ、一発試験について大変によく言われていること。

それは非常に難しいという点。

試験の基準自体は、指定教習所だろうが一発試験だろうが同じはずなのですが、技能試験の採点は一発試験のほうが厳しいと言われています。新規取得でなく、元保有者が免許取り消し等で再取得のために受験する場合でも、一発試験の技能試験はすぐに合格できない人もいるほどなので、Webには「新規取得で一発試験は無理ゲー」的な記事も見られます。

実際に店長が新規で取得できたので、「絶対不可能だ」ということはないですが、それでもやはり簡単とは言い難いというのが実情かと思われます。仮免、本免ともに、技能試験は複数回の受験は当たり前のようです。そして受験回数が増えることが、前述の「安さ」「速さ」にも影響してくるワケです……

総じて、教習所に通って免許を取るコースに比べた時、一発試験での免許取得は一長一短です。「平日の昼間しか試験が受けられない」という制約も大きいですね。

教習所にも種類がある

ここまで、一発試験と対局にあるスタンダードコースとして「教習所」があると書きましたが、教習所にも種類があります。大まかに2つ(細かくいうと3つ)。

まず、「指定自動車教習所」。「公認教習所」と呼ばれたりもしますが、いわゆるフツーの「教習所」です。各都道府県の公安委員会から指定(公認)を受けている教習所で、この教習所を卒業すれば、あとは学科試験をパスすれば免許が取れます。合宿免許とかもコレです。基本的に「大きい学校」です。新規取得者の98%が通うところ。

それ以外はすべて「指定外」ないし「非公認」となります。この「指定外(非公認)」の教習所には、「届出自動車教習所」と、「特定届出自動車教習所」があります。「届出(または特定届出)」の教習所は、公安委員会に所定の届出をした教習所ですが、「指定(公認)」ではないため、この教習所で教習を受けても技能試験は免除されず、免許取得のために一発試験を受ける必要があります。基本的には「小さい学校」ですが、大きいところもあるとか。

届出教習所では「教習原簿」という連絡ノートを出してくれるところがあり、教習原簿を持った受験生は、試験場での受験の際に教習原簿を提出し、不合格の際には原簿に指摘事項を記載してもらえるので一般の受験生よりも試験結果を詳しく知ることができる、という仕組みがあります。

また、「特定届出」の教習所は、「特定講習」を行うことができる教習所です。この「特定講習」は、一発試験合格者が免許取得前に受講しなければならない「取得時講習」に代わるもので、特定講習を事前に受講しておくと取得時講習が免除になる上、本免技能試験合格当日に免許が取得できます。逆に、特定講習を受けていない場合には、本免技能という最後のヤマをクリアしたあとに、あらためて取得時講習を予約して受講しないと免許がもらえません。

店長は今回、一発試験を受けるにあたり、非公認の教習所を利用しました。正しく言えば、免許を取ろうとしてネットでいろいろ見ていたところたまたま非公認の教習所を見つけて、それによって一発試験の存在を知ったのでした。それまでは一発試験なんてコトバすら知りませんでしたから。ちなみに教習原簿はありませんでした。

「サクッと1ヶ月くらいで取れたらいいなぁ」

そんな期待が大変に甘い考えであったと店長が思い知るのには、1ヶ月もかかりませんでした。

一発試験合格への険しい道のりが始まります……

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東京生まれ、東京育ち。 いまもヌシ様、ししまると一緒に都内のマンションで2人と1匹暮らし。 炊事と機械設備担当。

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